1.『シャイニング』(1980年)
この作品がホラー映画のランキングのトップに躍り出たのには理由があります。『シャイニング』は不吉な雰囲気の漂う作品で、思わず背筋がゾッとするでしょう。
この映画は、スタンリー・キューブリック監督による”容赦ない”演出が見どころです。恐ろしい狂気に侵されていくジャック・ニコルソンの取り乱した演技から、ダニーが催眠術にかかったように三輪車に乗ってホテルの廊下を彷徨うシーンまで、落ち着いて観ることができる場面はありません!
『シャイニング』は、以前のランキングにあった『ヘレディタリー/継承』と同じく、酔っぱらった狂人によって追いこまれるような感覚に陥る作品です。
次は何が起こるのか?もしかすると血のエレベーター?
切り刻まれた少女?237号室の浴室に潜む怪物は何か?
この作品は「ジャンプスケア」(観客を驚かせ怖がらせるための意図的な音や映像)を用いた安っぽいホラー映画なんかではありません。
キューブリック監督のこの作品に潜伏している恐ろしい怪物は、テレビを消した後も長い間あなたに付きまとうでしょう…。
2.『テキサス・チェーンソー』(1974年)
『テキサス・チェーンソー』の興味深い点は、流血シーンがあまりないという点です。実際そこにはユーモアがあるのですが、初見ではわかりにくいものかもしれません。
実在の殺人犯エド・ゲインの影響を受け、肉肉しい覆面をかぶった伝説のレザーフェイスや、屍がまだそこにあるか思わず下をみて確認してしまうような、フックを使用した人殺しシーンはありますが、内臓はほんの少ししか出てきません。
『テキサス・チェーンソー』の生の絶望と野蛮な正直さに匹敵するものは他になく、同作マイケル・ベイ監督による一見華やかなドル箱リメイク作品をはじめ、長年にわたってコピー作品は数多く作られています。ただし、この作品を真似るという試みは危険なものと言えるでしょう。
3.『遊星からの物体X』(1982年)
『遊星からの物体X』はSFホラー映画。
ウイルスが広まるにつれ、一行が分かれ始めると、たくさんの妄想や恐怖にかられますが、最も恐怖をあおるものは、まるで本物で触れることさえできそうな怪物たちのCG演出です。
腕は胸部に埋もれ、切断された頭に足が生え、体は広げられて伸ばされます…。
この描写は、当時10代だったメイクアップ担当のロブ・ボッティンと、もうすでに実力が認められていたSFXスタッフのスタン・ウィンストンのスキルによるもの。
まさにこのリアルな映像効果こそが見どころとなっています。
血に飢えた怪物たちの恐ろしい見た目が、観客が感じる怖さを助長しているのです。
4.『ヘレディタリー/継承』(2018年)
『ヘレディタリー/継承』については、片時も安心して鑑賞できる場面がありません。2時間の上映時間中、息をつける瞬間はなく、また次に何が起こるのかも予測不能です。
これは超自然現象に関する作品?それともババドックと同類の死の演出?これら2つの概念にはそもそも違いはあるのでしょうか?
トニ・コレット演じる芸術家アニーが、根気強くミニチュア模型を組み立てている光景は、まるで脅迫のように感じられ、家庭内の2人の大人の間で繰り広げられるすべての気まずいやり取りは、腹の底から気分が悪くなるものに仕上がっています。